向精神薬の副作用はたくさんあるんですが、その中でも精神的肉体的にダメージが大きいのが「太る」だと思います。
今回は、向精神薬を飲み始めて体重コントロールができなくなったことについてです。
向精神薬の副作用で太る
向精神薬の中でも、とくに抗うつ剤を飲むようになって「太った」という人が多いです。チヒロもそのひとりでした。
どんな薬にも副作用はあるけれど、向精神薬はとくにメンタルにもフィジカルにも大きく反応が出ます。
チヒロも、もともとすごく痩せ体質でした。妊娠中もそんなに太らずに、出産後もすぐに体重が戻ってもともとの体型に戻っていました。
なのに、産後パニック発作を起こして心療内科で薬を処方されてから、たった1年間で38kgだった体重が64kgまで増えていました。
誰よりも「美」に対しての意識が高かったチヒロにとって、この「どんどん太っていく自分を見る」ということは本当に辛かったと思います。
甘いものを食べすぎたからとか、間食ばっかりしてたから、という問題ではなくて、向精神薬を飲んだ時の太り方というのは、ある意味「異常な雰囲気」の太り方をします。
不健康的というか、むくんだような、身体の代謝が悪くなっているようなイメージです。
精神科医の言う「薬の副作用で太る原因」
薬について私は専門家ではないので、薬がどういう仕組で効くのかや、どうして太るのかという詳細書くことはおいといて、まずは数人の精神科医の先生方の見解を書きたいと思います。
私がこのブログで書いている内容は、主に私のリアル知人やネット上で繋がっている方で、実際に向精神薬を飲んでいる人たちの体験談に基づいたものです。
ちなみにですが、抗うつ剤には大きく2種類あって、
アッパー系:気持ちが落ち込んでいる人には、テンションが上がるようなお薬
ダウナー系:気分の高揚が激しく躁状態や攻撃性の高い人には、気持ちが落ち着くようなお薬
があります。その時の精神状態に合わせて医師が処方するんですが、チヒロはどっちの薬も大量に処方されていました。
鎮静系抗うつ剤は基本的に心身をリラックスさせる効果があるので、活動を低下させて太りやすくなる
ということが書かれていました。焦燥感や興奮状態を抑える反面、身体の代謝を落としてしまって、皮下脂肪や内臓脂肪を蓄積しやすくする作用にもなるそうです。
続いては、
「食欲増進効果」が期待され体重増加に繋がりやすい
というもの。薬を飲んで食欲が出てきたせいで太りやすくなるそうです。なるほど。
まとめると、薬のせいで動けなくなって太るパターンと、薬のせいで食欲が出て太るパターンがあるということみたいです。
じゃあ、実際に薬のせいで体重が増えてしまった人がどうすれば痩せられるのかを知りたいですよね。
精神科の言う「副作用で太ったときの対処法」
いろいろ調べたのですが、抗精神病薬の副作用で太った時にどうすればよいのかはおおよそこういう感じでした。
- 体重を測る
- 食事を見直す
- 運動をつくる
- 薬を減らす
- 薬を変える
これを見たときの率直な意見なんですが、とてもとても憤りを感じました。
書いてあることは至極まっとうなことなんですが、果たしてこれを向精神薬を飲んでいる人ができるのかっていうと、とても無理だと思ったからです。
普通の元気な人が太ったからダイエットをする、というわけじゃないんです。みなさん、メンタル疾患になって、向精神薬を飲み始めて副作用が出ている状態です。
体重測定
まずは自分の体重を知って太らないように気をつけよう、ということですよね。いわゆるレコーディングダイエット的なモノですが、それができるのは精神面が自分でコントロールできる人だと思います。
体重測定くらいはできるでしょ、測定もできないとか甘えてるだけでしょ、と言われそうです。
でも、体重が増加して動くのがしんどい中、メンタルが弱った状態で太った自分を直視することって難しいことだと思うんです。
体重測定したからダイエットできるなんてそんな簡単な話じゃないのになぁ、と感じてしまいます。。
食事を見直す
食事を見直す、はたしかに大切なことです。
そもそもメンタル疾患になった頃も、身体に良い食事が摂れていなくってしているので、暴飲暴食や、身体に悪いものを食べることを止めて、正しい食事を摂ることが大事です。
でも、これもどれだけの人がその余裕があるかを考えると難しいですよね。
もちろん、食事を改善してそれで痩せるのであればそれが一番いいと思いますが、現実的に難しいと感じました。日本の食文化は素晴らしい一面、食事や栄養、安全性に対する知識と意識がものすごく低いです。
病気になって動けないときにコンビニ食で済ませてしまう、という悪循環に陥ってしまいます。
運動をする
太ったのは怠惰だから。だから運動して身体を動かせばエネルギー消耗して痩せる。
そりゃそうですが、運動をするというのも「うつ」や「パニック障害」の人にとっては、実際にはとても困難なのを散々見てきました。
身体のエネルギーが完全に枯渇していて動きたくても動けない。通学や通勤、家事すらできない人たちにとって運動はハードルが高すぎます。
薬を減らす
薬を減らすのも痩せるためのひとつの手段と書いてありました。
薬が原因で太ったんだから、その薬を減らす。といういたって単純な話のようですが、そもそも薬を処方されて副作用で太っているんだから、処方する前にもっと慎重になってほしいです。
ましてや、いったん向精神薬を飲み始めた人にとって「減薬」するということはどういうことか、プロである精神科医なら絶対に知っているはずです。減薬したことが原因で離脱症状が出てきて苦しむ可能性がとても高いです。
薬を変える
これも「薬を減らす」と同様に怖いことだなぁと思いました。
心療内科(メンタルクリニック)に通院中の知り合いが何人もいますが、安易に薬が変わっているのをたくさん見てきました。薬の効果を感じられなくなったらより強い薬に変わったり、その時の症状に合わせて薬が追加されたりしています。
その結果、どの薬のせいで太ったり副作用が出ているのかわからなくなります。幼稚な表現になってしまいますが、心と体がごちゃごちゃになって収集がつかなくなるような感じです。
気分が良くなるから食欲が出る
抗うつ薬は基本的に「気分をよくすること」が目的なので、その効果で体調が良くなれば、これまでより食事が美味しく感じるようになって、その影響で食べる量が増えることもある。元気のバロメーターです。
ということを書いている医師と薬剤師さんがいました。
が、ワタシ的には心から「それ違うくない?」と言いたくなります。
一部のそういう患者さんもいるのでしょうけれど、それって元気になったといえるんでしょうか?脳が誤作動を起こして食欲スイッチが入っているだけで、実際に元気になったというわけではないじゃん、、、と素人ながら思ってしまいます。
処方する側は太ることを心配してくれない
チヒロが闘病している時、「一ヶ月分」と言ってビニール袋いっぱいに入った向精神薬を見せてくれた時から、心療内科って一体どうなってるんだと思い始めました。
薬を飲むだけでお腹いっぱいになってご飯が食べられなくなったり、逆に食欲がコントロールができなくなる異常な状態に陥ったり、まともな食事ができていませんでした。
処方する側は、患者の訴える症状に合わせた薬を処方する。
ただそれだけのことが多いと感じます。とくに精神科や心療内科は。
時間をかけてカウンセリングをしたとしても、最後には薬でコントロールしましょうとなります。
精神科医や心療内科医に通院している患者さんの多くが、薬を増減されたり、変更されたりしますが、処方する側には本当に本当に慎重になってほしい。
離脱症状について知識はあっても、短い問診のあとに一ヶ月分の薬を処方して、その間は一切様子を見ていないことが怖いです。経過を見ずに離脱症状がどういうものかなんてわかるはずもないと思いっています。
副作用で太るということを知っておく
向精神薬を飲み始めると、それまであった症状(不安感、落ち込み、眠れないなど)が一瞬は良くなります。
おや?なんか病気治ったのかな?
と勘違いしてしまいますが、基本的に薬を飲んで病気が「治る」ことはありません。あくまでも薬で症状をごまかしているだけで、根本の病気が治ったわけではありません。
食欲もそうです。
うつ病とかで食欲がなくなってて、薬を飲んでご飯が食べれるようになっても「元気になった」わけではないですよね。
うつ病になった原因は、薬を飲んで消えましたか?その根本原因にふたをしたまま、食欲だけが出ても精神と肉体のバランスが狂ってしまうと思います。
太らないためにできること
相変わらず起承転結が下手な文章になってしまいましたが、向精神薬を飲んで太るということは実際にありますし、それが(とくに見た目を気にする女性にとって)そもそも弱っていたメンタルをさらに弱らせることになります。
薬の副作用で太るということは知識として知っておくことと、その中でも、どういう薬が太りやすいのかを調べておくのも大切だと思います。
じゃぁ、実際に太ったらどうすれば良いのか。
”薬の選び方、食事、運動、生活習慣の改善”
前述したお医者さんが言ってる内容と同じようなことですが、私なりに具体的にこうしたほうがいいと思うことをこれからブログで書いていこうと思います。
チヒロが薬の副作用で体重が増えていた頃、ランチを食べに行こうとバイキングに行った時に「甘いものから食べたほうが太りにくいらしい」と言ってデザートから食べていたのを思い出します。
今の私だったら「違うよ」と言ってあげられるのに、当時の私にはなんの知識もなく「そういうものなのかぁ」とデザートばっかり食べているチヒロを見ていました。
もっと食事や運動をどうすれば良いのかを調べて、一緒に考えてあげれる知識を持っておけばよかった、と後悔しています。
今日のBGM 「今夜はブギー・バック/スチャダラパー」